これまでの3~4年間はQVGA(横幅240px)の端末が事実上の標準機であり、仕様上の上級機でした。より古い端末でも200pxを切るような端末は5~6年前でもほとんどありません。つまり、画面サイズは上位機種から15%程度の違いでした。このため、さらに古い端末をサポート対象にせず、単純なレイアウトだけであれば、220px程度を基準に作ることでデザインも概ね大きく崩れることがありませんでした。
このような状況の中でソフトバンクからVGA(横幅480px)の端末が2年位前に発売され、この5月にはドコモの新機種の大部分はVGAサイズとなりました。VGAはQVGA比で縦横2倍、面積4倍という大きさであり、これまでと全くスケールが違います。サイズが大きくなったVGA端末では、当然キャッシュ容量も大きく拡大されています(ドコモ500k,ソフトバンク300k)。このことから、新たな機種違い問題が出てきています。
- VGA端末ではQVGA基準の画像は小さく表示(1/4)されてしまう
- VGAを基準に作るとQVGAではレイアウト崩れと容量オーバーしやすい
1.に関しては、携帯電話機そのものの大きさは変わらないので、画素数が上がっているにも関わらず、表面積がさほど変わっていない為に発生します。解決するには画素数の多いものを配置しなくてはなりませんが、VGA用を切り替えるか、VGAからの画像変換をするかといった選択となります。
2.については、1.と逆のことが起きます。VGAベースで作成された画像は縦横1/2画素のQVGAで見ると、2倍の大きさとなります。画像が2倍の面積を取るので、レイアウトはめちゃくちゃになってしまいます。例えば、小さなサムネイルがQVGAでは画面いっぱいに広がってしまいます。また個々の容量も大きいために容量オーバーが発生しやすくなります。
画像変換を使う場合、QVGAからVGAへ画面サイズが移行したのだから、単純に基準をVGAにすればよいという訳にはいきません。これまでの画像変換は、QVGAから少し小さくすることを前提に、容量はさほど変化しないことを前提としています。面積が1/4になると容量も1/4になることは全く当てに出来ないので、容量に関してはソリューションとしては破綻してしまっています。また、これまでは画面いっぱいに広げた画像だけが変換対象になると想定してコンテンツを制作していましたが、画面の半分程度の画像でさえ変換対象になる可能性があるので、最終的な画面毎のデザインがめちゃくちゃになる可能性があります。
ラウンドアバウトは、これからのVGA時代を先取りした製品であり、VGA/QVGA間に存在する問題を解決します。そして今後さらに画素が増えてもバリエーションが増えても対応できる設計になっています。
この問題については、ラウンドアバウトの製品サイトで図表を使ってわかりやすく解説しています。
VGA時代の到来
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