imgタグビーコン方式は通常ASPで提供され、決して安くはありません。有用なサービスを開発・運用しているので当然なのですが、携帯アクセス解析にとってはこれこそが最大の問題です。定常的な固定費のかかるシステムは敬遠される傾向にあり、場合によってはサーバやコンテンツ保守より高価になってしまうアクセス解析の普及の妨げになっていると思われます。
GoogleAnalyticsのように無料で提供されれば良いのですが、おそらくそのようなサービスはないでしょう。ログ解析自体は直接利益を生むわけではないし、PCであればGoogleAnalyticsを初めとする高度な解析サービスが無料で提供されている中で、月額3万~10万、年間30万円や100万円の最低料金を払えるサイトはそれほど多くはないでしょう。
導入コストが高いために、本来全てのサイトであるべきアクセス解析が、全くできないサイトが数多くあると思われます。モバイル業界の為にも安くて高度なアクセス解析の手段があるべきだと思います。
■ビーコン式ASPには従量制がある
多くの携帯ビーコン式ASPは有料かつ従量部分があります。アクセスが多ければリソースをより消費するのでASPの従量制というのはリーズナブルです。しかし、現在のWebビジネスがページビューよりも成果報酬という方向にある中で、アクセス数が増えるとコストが増えるという図式は、なじみにくいものがあります。
アクセス解析をして、サイトを改善し、アクセスが増えて...コストも増えちゃう。というのは、納得できるような、できないような微妙な感じです。アクセス量増加を素直に喜べるような、量に左右されない方法も用意されていれば、選択肢が広がると思います。
■ログが手元に無く、特定のサービスに縛られてしまう
当然なのですがビーコン式であればログは手元にありません。PCであればビーコン式を使っても、基礎データである生ログは所有しているので問題とされません。しかし携帯では唯一の完全なログが手元に無く、サービス側にしか存在しないので、ユーザーはサービスに強く縛られてしまいます。
- 決めたサービスで提供される解析手法しか使えない
- 複数のサービスを横断した解析はできない
- 過去のデータもサービス側にしかなく、推移が把握できなくなるため、止めにくい
- 中断すれば補完することができないので、中断しにくい
- 個人を特定できる可能性があるので、個人情報保護の観点から懸念がある
実のところ、こういった制約などはビーコン方式の問題ではないし(むしろ解決方法の1つ)、ビーコン方式を否定する問題でもありません(当然、ビーコン方式が存在するほうが有意義)。リアルタイム解析に向く点や、それぞれのサービスにある独自な素晴らしい解析手法は、多くのサイトにとって有益だと思います。ただ、それが唯一のデータであることが結果的に、縛られてるように感じられ、携帯サイトのアクセス解析の問題を浮き彫りにしてると言えます。
ビーコン方式のサービスが多種多様あるということは、その中で素晴らしいサービスの発展があると思います。一方で携帯サイトでも完全なるアクセスログを手元に持ち、自らアクセス解析をできる自由を確保することも本質的に重要だと思います。手元に正確な生ログがあれば、色々なASPを試した時に、その精度や価値を正しく評価する指標を得ることができます。
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